« 馬券の買い方 -10 | トップページ | ジャン=ユーグ・アングラード -12 »

2008年6月29日 (日)

魔の三角海域 -11

Q 私はミステリーが好きなんですが、興味があるのは“魔の三角海域、バミューダ・トライアングル”なのです。最近は本にもあまり詳しくのってませんし、知る手段がないので教えてください。できれば過去から最近にいたっての事件を詳しく。そしてバミューダのことが詳しくのっている本があれば紹介もよろしくお願いします。

●門真市/匿名希望さん(18歳・専門学校生)

 

A いやー懐かしい言葉です。“魔の三角海域、バミューダ・トライアングル”。そういえば最近耳にしませんね。梅anの学生時代にはこの手の超常現象を扱った本がよく出回っていたもんです。しかし、いまだに“魔の三角海域”に興味のある人がいるなんて、驚きました。バミューダ・トライアングルと聞いて、三角形のバミューダパンツのことかな、なんて思う人もいたりするので、ちょっと説明しておきましょう。

 要はバミューダプエルト・リコ、フロリダを結ぶ三角形の海域で、昔っから船舶や飛行機がしょっちゅう失踪をとげるということで、“魔のバミューダ海域”と呼ばれているわけです。時間と空間の歪み、UFOの基地、ブラックホール、磁気異常説、海底地震説、津波説、竜巻説、アトランティスの殺人光線説……様々な仮説が出ましたが、どの仮説も事件を実証的に説明するまでにはいたっていません。

 ところがです。この“魔のバミューダ海域”を詳細に調査し検討した結果、これは人間がつくり出した「伝説」にすぎないと看破した人がいるんですな。その人の名はローレンス・D・クシュ。図書館学者です。彼の著書「魔の三角海域──その伝説の謎を解く──」(角川文庫)から結論の部分を引用してみましょう。

「バミューダ三角海域の伝説は、要するに、故意につくられたものである。それは、まず杜撰な調査に始まり、ついで、誤った概念や、間違った推理、あるいはセンセーショナリズム好みの作家たちの手で、故意に、あるいは、無意識に修飾されてできたものにすぎない。それが繰り返し語られたおかげで、真実めいた霊光(オーラ)をおびてきたのである」

 というわけで匿名希望さん、残念でした。謎のミステリー、バミューダ・トライアングルの正体が分かっちゃいました。噂が噂を呼んで、さらに尾ヒレまでついて、ちゃんと原因の分かる事故も「魔の海域」のせいにされて、そういうのが積もり積もって伝説になったというわけです。

 でも、そんな夢のない結論じゃつまらないという人は現代ホラーの旗手、ディーン・R・クーンツの「ファントム」(文庫本で上下巻。今、知り合いに貸してるので出版社は分かりませんが、大手の文庫です)をお読みください。太古からどこの国にもある神隠しとか、魔の海域的現象を引き起こしてきた“恐ろしいもの”について解明してくれます。もちろんフィクションですが、ゾクゾクするほど面白いですよ。梅anが自信を持ってオススメします。

 ちなみに梅anが原稿を書いてる部屋は4畳半の空間にワープロ2台とパソコン、プリンタ、留守番電話、ファックス、書籍が数百冊、それに仕事関係の書類が山と積んであって、一度なくなった資料は二度と出てこないという「魔の仕事部屋」。この中からクシュの本が出てきたっていうこと自体、現代のミステリーなんだなあ。ほんと。

 

924 (1/20-26)

 


|

« 馬券の買い方 -10 | トップページ | ジャン=ユーグ・アングラード -12 »

コメント

こんなおもしろい話をここまでつまらない話にしてしまう、ローレンス・D・クシュたらいう人。

きっとね、大槻教授みたいな人ですよ。
科学だけじゃ割り切れない世界だって、あるはずなのにねぇ。
わかっても黙っとくくらいの、遊び心っちゅうもんを持っといてほしいです。

投稿: うらないし | 2008年6月29日 (日) 18時39分

こんなところまで来て読んでいただいて、恐縮です。

バミューダ・トライアングルの「謎」を
解明していくくだりは、
けっこう面白かったような記憶があります。
ただし、こういう著書が出たからといって、
謎が消えさるわけもありませんでした。

それ以上に面白かったのが「ファントム」だったんですけど。
だれに貸したのかは忘却の彼方です。

投稿: うめはら | 2008年6月29日 (日) 22時51分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1057951/21960250

この記事へのトラックバック一覧です: 魔の三角海域 -11:

« 馬券の買い方 -10 | トップページ | ジャン=ユーグ・アングラード -12 »