手に汗握るのはなぜ? -339
Q「手に汗にぎる」という表現がありますが、実は手のひらには汗腺がないんだそうです。なのになぜ手に汗をかくのでしょうか?あがり症のぼくは、手がすぐべたべたになって困っています。
●???市/荒崎くん(21歳)
A 昔は「手のひらの冷たい女性は情が深い」といいました。手のひらが冷たいのは熱を伝えにくい皮下脂肪が多いからで、そういう人は女性ホルモンも多く、情が細やかだという論法です。
ところが、手のひらの汗腺に着目すれば「手のひらの冷たい女性は神経質」といえるかもしれません。人間は暑くなって体温が上昇すると、汗を蒸発させて皮膚の温度を下げる体温調節をします。これを温熱性発汗といって、手のひらに汗腺がないというのは、この温熱性発汗のための汗腺がないという意味。ただし、手のひらには精神性発汗のための汗腺が1㎡あたり約 400個あり、興奮したり、緊張したときに汗をかきます。つまり神経質な人は手のひらに汗をかきやすいというわけですね。
では、なぜ手に汗をかく必要があるのか? 一説には手にものを握って作業するときに、滑り止めになるよう手に汗をかくといわれています。精神性発汗のための汗腺は脇の下と足の裏にもあるので、本当は「手に汗にぎる」ではなくて「手足脇に汗にじむ」と言うべきなんですよ。
99・10号
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